- 2020-10-29
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★リレーメッセージ★ 10.29
私の人生の恩師として、真っ先に思い浮かぶのは龍史さんです。
出会いは私が23歳の時に挑戦をしたマッスルミュージカルのオーディションでした。
合格こそしたものの、全くの素人だったので、人前で笑うこともできなくて逆に泣いてばかりのスタートでしたが、龍史さんから舞台の魅力を教わり、スタッフのみなさまやメンバー、そしてお客様にも支えられ、気付くと稽古や本番に心から夢中になっていました。
そんな中で怪我をしてしまい、半年以上ずっと稽古や本番に出られなくてすごく悔しい時期があったのですが、そんな時も龍史さんは程良い距離から優しく見守ってくださり、それが心の支えとなりました。
その時は、出演するはずだった本番を何回も何回も観に行きました。
幕が開くと舞台から龍史さんの香りが一気に広がるというか・・会場全体が龍史さんの空気で満たされる不思議な感覚が今でも鮮明に残っています。
元気を与えてもらい、とても気持ちが満たされて、観終わった時にはいつもやる気いっぱいになっていました。
あの頃は出演者の一人として自分の役目の事以外は深く考えなかったけれど、今考えると出演者とスタッフ、そしてお客様とたくさんの人数が関わる舞台という空間を一つにまとめて、世界をつくり上げるなんて、神業ですよね。
龍史さん本当に凄い・・心から尊敬しています。
怪我をした事は悲しく感じることでもあったけれど、何度も何度も龍史さんの舞台を客席から体験する事ができた事は貴重な経験でもありました。
そしてそんな龍史さんの舞台に私も立つ事ができたことは、本当に幸せな事です。
掲載されている「心意気を繋ぐメッセージ」を読ませていただき、龍史さんこんな事よく言ってた!と改めて思い出す言葉があったり、そんな出来事があったんだぁと新しく知ることもたくさんあって、今でも龍史さんからは多くの事を教えていただいている気持ちでいます。
普段もピンチの時とか、楽しい時とか、自然と龍史さんのことを考えていることが多くあります。
印象に残っている言葉はたくさん有りますが、今でも特に大切にしている言葉に「日々精進」「出し惜しみをしないこと」それと「本番に飽きるってことは自分に飽きてるって事だぞ!」が有ります。
最後の「本番に〜」の方は、同じ内容の公演を数十回と繰り返しこなしていく中で自然と慣れのようなものが生じてきてしまった頃、毎日同じ事の繰り返しと思っているかもしれないけれど、今日のこの一回しか観れないお客さまの事を考えて舞台に立つように、というお話の中でみんなに向けて投げかけられた言葉。
自分に飽きてるという言葉にはっとしました。
私はマッスルミュージカルから中村JAPANと8年間、龍史さんにお世話になり、今では舞台に立つ事ではなく、ものづくりをしています。
「自分の頭の中で描いている世界を現実に表現して、それを自分で見てみたいんです」とご相談をした時、つくっている人はみんなそうだよ、と私の方向転換を応援してくださいました。
それまで演者として受け止めてきた龍史さんの数々の言葉やお仕事に対する姿勢など、今ではつくり手として受け止め、私の基盤となっています。
私のものづくりにおいては、同じ事の繰り返し作業が多かったり、同じ作品と何度も向き合う事が多く、新鮮な気持ちを忘れがちになってしまうのですが、そんな時には「自分に飽きちゃだめだ!」と龍史さんの言葉を必ず思い出すようにしています。
龍史さんからは信じられないくらいたくさんのものを与えていただき、困った時には何度も救ってもらったのに、私からはご迷惑をおかけすることもあったりして、しかも何もお返しすることもできずに自ら退団することになってしまい、後ろめたい気持ちも感じておりました。
この場に龍史さんへの気持ちを綴る機会をくださり、感謝をしております。
留美子さんにも心より感謝を申し上げます。
舞台上ではありませんが、龍史さんの教えをずっと大切に、表現者として日々精進していきたいと思っています。
龍史さんに出会い、私の人生は大きく変わりました。
感謝してもしきれません。
龍史さん、これからも見守っててください。
よろしくお願いいたします。
土屋幸子(zucu:注染クリエイター)